若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

初期研修医向け 基礎的参考書 感染症のオススメ本

初期研修医向けの感染症についての本です。

ちなみに、精神科医も単科精神科病院では細菌感染症に対して抗生剤を自分で選択し投与する必要があります。

精神科後期研修医の医師や、精神科志望の初期研修医もきちんと勉強しておきましょう。

こういった、病棟業務の基本知識は実務をスムーズに行うために非常に重要です。

 

①マニュアル

全てを暗記することはできません。発熱→細菌感染症疑いと判断した場合には、こういったマニュアルを用いて対処するのが良いでしょう。
完成度が非常に高く、値段も安く、持ち運びもしやすいため非常にオススメです。
 
②読み物

 もともとTwitterでは大暴れしていましたが、コロナウイルスで一世を風靡した岩田健太郎先生の本です。冗長なので初学者には不向きですが、基本的な抗生剤の使い方を勉強した後に読むのをオススメします。

読み物として気軽に読めますが、知識量は半端ないです。

 

③コンパクトにまとまった本

必要な知識がギュッとまとまった本です。この本、内容は非常にわかりやすく、しかもまとまっているのでありがたいのですが、出版が2010年と少し古めです。
MRSAに対する新規の抗生剤なんかも出てますが、精神科医が使うものでもないので、少し古めの本でも勉強にはなると思います。
基本的なMRSA、ESBLの知識は精神科単科でも蔓延しているため必須です。
てか、むしろ単科病院のほうがESBLでまくりだったような気もするくらいです。
 
 ④辞書的な本

言わずとしれたレジデントのための感染症診療マニュアルです。

分厚いので辞書的な使い方をする本です。精神科医でも梅毒診療を行うことはあるので、そのようなケースでは少し重宝します。

ただ、基本的に精神科医にとっては詳しすぎます。私はもっていますが、あえて購入はしなくてもいいような気も・・・。

 

感染症についての勉強は熱発患者への対処の一つなので、精神科医といえども確実に必要になります。

細菌感染症であれば、Focusを考え、各種培養を提出し、Focusに届く抗生剤を十分量、十分な日数使用するというのが最も重要になるでしょう。

適当にニューキノロン、第三世代セフェムを投与するというのは精神科医と言えどもいけてなすぎるので、少しは勉強をしておいたほうが良いでしょう。