若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

精神科医の基本技術。診療技法を学ぶために! ★こころの病を診るということ 私の伝えたい精神科診療の基本

★青木省三先生

・こころの病を診るということ 私の伝えたい精神科診療の基本
 
精神科の診療技法について書かれた本としては新しく、なんと2017年に出版されています。
過去にも精神科の診療技法についてはいくつもの名著があり、それは時代を経ても色あせていません。10年以上前の本でも十分に臨床応用できるのが、他科と比較した精神科の特殊性でもあると思われます。
さて、この青木先生の本の凄さとして、それらのエッセンスを取り込み昇華している点が挙げられます。
そういった意味でも、他の名著を読むことも当然ながら、この本もぜひ初学者に読んで欲しいと思います。
待合室の患者の様子から情報を得て、付き添いの家族との関わり方、生活史の捉え方などを詳細に言語化され記述されています。
内容は平易な言葉で表現されているので、非常に読み易くスラスラとページが進むのも読んでいて楽です。
タイトルに精神科診療の基本とありますが、この本に書かれている内容は「基本」であり「極意」に近いものです。
後期研修医1年目で外来診療に携わる先生には絶対に読んで欲しい本です。