若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

2020-03-07から1日間の記事一覧

精神科 豆知識シリーズ ⑩併用禁忌 スボレキサントとレンボレキサントの違い

個人的には禁忌かどうかは大きな問題。 スボレキサント:ベルソムラ®とレンボレキサント:デエビゴの大きな違い。 特にリエゾン診療でこの違いが効いてくるか!?

精神科 豆知識シリーズ ⑨エスシタロプラムとCYP2C19

エスシタロプラム:レクサプロ®がCYP2C19に代謝されることはご存じでしょう。 しかし、日本人にpoor metabolizerがどの程度いるかまでは知らない人が多いのではないでしょうか?

初期研修医向け 基礎的参考書 救急外来のオススメ本

救急外来は初期研修医は「ほぼ」避けては通れない鬼門です。 軽傷かに見える重症患者、軽傷なのに訴えが強くて帰ろうとしない患者、精神科領域の患者、色々な基礎疾患がある患者など、様々なシチュエーションでの患者対応が必要になります。 初期研修医にと…

精神科 豆知識シリーズ その目的

精神科豆知識シリーズの目的です。 大層な目的ではなく、精神科診療で見落としがちなTipsや、後輩への雑談ネタになりそうな話題を扱っています。目標は999!というのは無理だと思うので、ぼちぼち思いつく限り書き続けたいと思っています。 psy-book.hatenab…

精神科 豆知識シリーズ ⑧セロトニンと血小板の凝集の関係

抗うつ薬の添付文書を見ていると、易出血性の副作用があると記載されています。 この理由を皆さんご存じでしょうか? これは抗うつ薬の薬理作用である、セロトニン再取り込み阻害作用が原因と考えられています。 では、セロトニン再取り込み阻害作用と易出血…

精神科 豆知識シリーズ ⑦パリペリドンの意外な禁忌 知ってる人は知っている、知らない人は覚えてね

パリペリドン:インヴェガ®は抗精神病薬で、リスペリドン:リスパダール®の活性代謝産物です。 第二世代抗精神病薬、セロトニン・ドーパミンアンタゴニスト:SDAと呼ばれており、錐体外路障害などの副作用が第一世代抗精神病薬と比較し出現しにくいというの…

精神科 豆知識シリーズ ⑥意外と盲点?オランザピン筋注と糖尿病

精神科臨床において、オランザピン:ジプレキサ®は使いたいけど使いにくい薬剤ではないでしょうか? 鎮静もかかり、抗精神病作用もあり、急性期では非常に有用な薬です。 しかし、抗コリン作用が強い、糖尿病に禁忌、体重が著しく増加するといった使いにくい…

精神科 豆知識シリーズ ⑤喫煙と抗精神病薬 追記2020年3月8日

喫煙が薬物の血中濃度を変化させるということは皆さんご存じでしょう。 これは、煙中に含まれる多環式芳香族炭化水素が肝臓のCYP1A2を誘導するからと考えられています。 多環式芳香族炭化水素ってなんなんだろうか。 さて、CYP1A2で主に代謝される抗精神病薬…

精神科 豆知識シリーズ ④食後服用と血中濃度の大幅上昇

これは他にもあるかもしれませんが、とりあえず思いついた薬剤を三つ挙げておこうと思います。 食後に内服すると大幅に血中濃度が上昇、逆に空腹時に飲むと血中濃度が上昇しにくい薬剤についてです。 ずばり ペロスピロン:ルーラン® ブロナンセリン:ロナセ…

精神科 豆知識シリーズ ③バルプロ酸の血中濃度を下げる抗菌薬

さて、これは有名と思いますが、周囲の医者はあまり知らなかったので取り上げておきます。 抗てんかん薬、気分安定薬として使用されており、精神科薬物治療では無くてはならぬ存在のバルプロ酸! 抗生剤の投与でバルプロ酸の血中濃度が低下してしまうことに…

精神科 豆知識シリーズ ②精神科医が見落としがちなセロトニン症候群の原因薬剤

セロトニン症候群は抗うつ薬の過量使用で14%、通常使用だと発現率が1%以下と報告されているようです。 診断基準など細かいことは各自勉強してもらうとして、今回は見落としがちなセロトニン症候群を誘発しうる薬剤について言及しようと思います。 ①西洋オト…

初期研修医向け 基礎的参考書 感染症のオススメ本

初期研修医向けの感染症についての本です。 ちなみに、精神科医も単科精神科病院では細菌感染症に対して抗生剤を自分で選択し投与する必要があります。 精神科後期研修医の医師や、精神科志望の初期研修医もきちんと勉強しておきましょう。 こういった、病棟…