若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

大人のトラウマを診るということ トラウマを念頭に置いた診療を目指して

★青木省三先生

・大人のトラウマを診るということ
 
青木省三先生を中心に、トラウマを抱えて「生き辛い」人をどう診療し、サポートするかなどを中心に扱った読み易い本です。
値段も3300円とお手頃です。笑
 
さて、精神科の臨床を続けていると、一般的な関わりや薬物療法を行ってもなかなか改善しない症例に出会います。
以前に扱ったPMDDもそうですが、トラウマ関連疾患も「そういった目線」で診療しなければ上手く取り扱うことが困難です。
幻聴がある、被害妄想がある、気分の変動が異常に激しい、解離してる、境界性人格障害みたいな行動特性といった感じで、なんか薬物療法をしても良くならない、関わりでどうにかしようとしても良くならない。
こんなとき、患者が過去のトラウマ体験を元に精神症状を呈し、それが「生き辛さ」に繋がっている可能性に気付けると、診療の幅が広がるのではないかと思います。
 
この本はトラウマにフォーカスした専門的な治療法を学ぶためのものではなく、そもそも論としてのトラウマ関連疾患の存在について学ぶためのものという認識で手に取ると良いでしょう。