若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

部分的には良いけれど、後期研修医レベルならこれだけだとちょっと寂しい ★精神科の薬がわかる本 第4版

★姫井昭男先生

・精神科の薬がわかる本 第4版
 
私も初期研修医の時にお世話になった本です。
向精神薬についての基本的な内容についてまとめてくれているので、初学者からするととっつきやすく理解しやすい点が素晴らしいです。
改定されるごとに内容もアップデートされ、中身も見やすくなっているのが良い点です。
抗精神病薬抗うつ薬についての薬理学的な内容が多いので、薬物治療を理解するための取っ掛かりとして有用です。
ただ、薬物の使い分けに関しては弱めです。
また、睡眠薬抗不安薬などについての内容は微妙なので、この初学者向けの内容はあくまで勉強のとっかかりと考えて、ここから幅広く勉強するための第一歩的な本と考えましょう。
 
精神科治療は精神療法、心理教育に加えて、薬物治療の知識がどうしても必要になります。
非常に多い向精神薬を、私達若手医師が全てについて今から把握するのは非常に難しいというのが本音です。
読み易く、わかりやすい、それでいて内容も奥深い向精神薬を扱った本はあるのでしょうか?
あれば教えてもらいたい所存です。