女性の複雑な精神症状、月経前症候群や月経前不快気分障害を学べる本
★武谷雄二先生
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「生理が精神症状と関係するとか知っとるわい!」という先生が多いと思いますが、実際には結構見逃されています。
この方たち、基本的には抗精神病薬、気分安定薬といった通常の薬物治療のみでは良くなりません。しかも、対人関係でコミュニケーションエラーを起こしたり、周期的に訪れる精神不調がきっかけで自己効力感が低下したりで、境界性人格障害のように変貌していくケースが多いと感じます。
ピルを用いるならドロスピレノンを含有しているヤーズやヤーズフレックスを、月経前に間欠的に、もしくは継続的にSSRIを投与するか、抑肝散や加味逍遙散などを試してみるか、などが治療選択肢に上がります。
この疾患についての知識があれば、複雑な精神症状に抗精神病薬と気分安定薬をテンコ盛りにした結果、症状があまり改善せず・・・という経過を辿った後、統合失調症(統合失調う感情障害)、双極性障害、パーソナリティ障害など複数の診断をつけて戦い続けるというケースが減るかもしれません。
精神科診療に携わる医師は、この疾患概念を知っていて、適切な治療につなげる必要があると強く思っています。
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