若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

精神科 豆知識シリーズ ④食後服用と血中濃度の大幅上昇

これは他にもあるかもしれませんが、とりあえず思いついた薬剤を三つ挙げておこうと思います。

食後に内服すると大幅に血中濃度が上昇、逆に空腹時に飲むと血中濃度が上昇しにくい薬剤についてです。

ずばり

ペロスピロン:ルーラン®

ブロナンセリン:ロナセン®

クエチアピン徐放製剤:ビプレッソ®

 

ルーラン®とロナセン®は食後に飲まないと血中濃度が上昇しないため、眠前などの空腹時ではなく、食後に内服するようにと言われています。

食後は胃の中が酸性となり、これらの薬剤が酸性化で吸収されやすいというのが理由のようです。

 

逆に、ビプレッソ®は徐放製剤としての効果を期待するには食後ではなく、空腹時、とくに眠前に内服する必要があります。

食後に飲んでしまうと、徐放製剤として作用しないことに注意が必要です。

 

他にも精神科の薬剤で内服タイミングによって大きく血中濃度が変化するものがあるかもしれませんが、今の時点では思いつかないです。思いついたら適宜追記していこうと考えています。