自己紹介② 若手精神科医の覚書
自己紹介 - 若手精神科医の覚書の続きです。
漠然とはしていますが、私自身の臨床レベル備忘録です。
世間ではICD-11が発表されていますが、ここではICD-10に則り記載していこうと思います。
F0 症状性を含む器質性精神障害
認知症は特殊なTypeでなければある程度の診断能力+除外能力はあるのかなと思います。器質性の疾患に関しては、基本的に神経内科にお任せといったところでしょう。
しかし、神経内科医は精神症状を伴うと診療が投げやりになるケースもあるため、「精神疾患ではなさそうだ」と強く説明する自信は必要と思われる分野です。
F1 精神作用物質使用による精神及び行動の障害
精神科救急では覚せい剤使用などは時折経験しました。アルコール依存症は基本的には専門病院の受診を促します。離脱せん妄の対応は何件か経験ありますが、結構骨が折れるので離脱させない方針としています。
タバコとかほぼ経験がありません。精神科でも開業医や、内科外来で対応されているケースが多いのでしょうか?
良くなる症例と良くならない症例、差が激しすぎて困惑することが多いです。
やはり症候群なんだなぁ、と日々思いながら対応しています。
F3 気分[感情]障害
非常に難しいと日々感じています。
そもそも、診断が難しい。本当に薬物が必要なのかといった基本的な部分から、日々真剣に悩みながら臨床しています。
適当に双極性障害と診断する医者にだけはなりたくないと日々臨床しています。
F4 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
このあたりはまだ薬剤が奏功する症例があるので気は楽です。
薬の必要性、生活で気を付けたほうが良いことなど、心理教育を交えた外来診療はやりがいを感じます。
身体表現性障害、身体症状症はどうやれば良くなるのか、いまだにわかりません。
無駄に薬を増やさないことを一つの軸としていますが・・・。
F5 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
摂食障害の身体管理はわりと好きですが、heavy過ぎるので自分以外の医師の協力が必要ですね。
産褥期は大変。最悪の結果だけは防げるようにいつも苦戦しています。
F6 成人の人格及び行動の障害
人格障害と呼ばれるような行動特性の患者対応は常に苦労しています。
自分の未熟さ故に適切な対応ができなかったケースも多く、心の中に多くの積み荷があります。
精神科医として、この群の外来診療が上手にできる必要性を日々感じています。
上手くというのは、「その時々に適切な対応をする」ということで、これが難しい。
私がメインで診療可能なのはこのあたりまでかなと考えています。
大人の発達障害とかは、一般外来の範囲でそれなりの対応をすることは可能ですが、「これを専門的に見てほしい」というニーズだけの患者さん対応はあまりしていません。
あと、リエゾン領域です。これは興味の問題で結構好きなので、別の機会に細かい知識を書き連ねようと考えています。
主科の医師が適当な対応をしている尻ぬぐいをするのは面倒くさいので好きではありません。