若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

初期研修医向け 基礎的参考書 救急外来のオススメ本

救急外来は初期研修医は「ほぼ」避けては通れない鬼門です。

軽傷かに見える重症患者、軽傷なのに訴えが強くて帰ろうとしない患者、精神科領域の患者、色々な基礎疾患がある患者など、様々なシチュエーションでの患者対応が必要になります。

初期研修医にとって救急外来の勉強は必須であり、同時に精神科医も病棟管理の上で救急外来の知識は必須となります。

入院患者では時間を利用した診療が可能なので、救急外来よりも余裕ある診療が可能です。

 

①マニュアル

マニュアルというと少し違うかもしれませんが、救急外来ではこの本は非常に役立ちます。症状毎に対応やピットフォールが記載されているので、一度目を通して、救急外来で気付いたこと、困ったことがあれば書き込めば良いと思います。
 
抗菌薬の使用はむちゃくちゃだった記憶がありますが、ERでの初期対応という点でこの本は非常にコンパクトにまとめてくれています。考えながら動くという点で、この本は非常に有用です。
ただ、抗菌薬についてはめちゃくちゃだった気がします。
 
②症例集

マニュアルで提示した当直医御法度の症例集バージョンです。内容は当直御法度と類似している点もありますが、症例ベースでの勉強が可能です。

この本を何度か読み込んでおけば、救急外来で主訴から鑑別をスムーズに挙げて対応が可能になるでしょう。嘘のような本当の話ですが、この症例集のままの経過の患者が来ることが良くあります。必読!

 

③読み物系

主訴毎に症例を検討しながら学べる本です。非常に人気のある本で、いくつかの研修指定病院で初期研修医がこの本を読みながら勉強している光景を目にしました。
確かに、必要な情報がコンパクトにまとまりながらも、読み易く平易な文章で記述されているので救急外来が苦手な人でも勉強しやすい本になっています。
 
④その他、有用な本

「帰してはいけない」シリーズの救急外来です。一見、軽傷に見えても帰宅させると危険な患者は数多く来院します。地雷症例を地雷にせずに安全に対処できるように、こういったピットフォールをまとめた本は何冊か目を通しておくと良いでしょう。

失敗から学ぶことも可能ですが、できれば失敗せずに学びたいですよね。