若手精神科医の覚書

若手から中堅の精神科医が、精神科初学者の学習に向いた本の紹介をしています。

珍しい!アトラス的睡眠本 ★睡眠がみえる!

★河合真先生、立花直子先生 // リンク ・睡眠がみえる! 日本では睡眠を専門的に行っている施設は非常に限られています。睡眠時無呼吸症候群は見ていても、それ以外の睡眠関連疾患は診療しないという医師は多いです。 一方で、精神科医は睡眠についての知識…

誤診は起きる。誤診を誤診で終わらせないために ★誤診のおこるとき 精神科診断の宿命と使命

★山下格 // リンク ・誤診のおこるとき 精神科診断の宿命と使命 タイトルから、誤診、誤診、誤診とぎょっとしますね。 医者にとっては非常に苦しい「誤診」という言葉、それを敢えてタイトルにした本です。 著者の論として、診断は病名を単にラベリングの作…

官能的評価シリーズ 前作よりも新しい薬が! ★精神科のくすりを語ろう その2 患者による官能的評価の新たな展開

★熊木哲夫先生 // リンク ・精神科のくすりを語ろう その2 患者による官能的評価の新たな展開 官能的評価シリーズです。出版は2015年と比較的最近であり、オランザピンやアリピプラゾールに関しても扱われています。 こちらが一作目です。 psy-book.hatenabl…

官能的評価シリーズ 精神科のくすりの雰囲気を知る ★精神科のくすりを語ろう 患者からみた官能的評価

★熊木哲男先生 // リンク ・精神科のくすりを語ろう 患者からみた官能的評価ハンドブック 官能的評価シリーズです。このシリーズは3冊出版されています。 この本はめちゃくちゃ「ふわっ」とした本です。薬理作用などを堅苦しく記した本ではありません。 精神…

こんなとき私はどうしてきたかを読んだ医師へ、精神科医としての次のステップを ★[新版] 精神科治療の覚書

★中井久夫先生 // リンク ・[新版] 精神科治療の覚書 中井久夫先生の名著です。「こんなとき私はどうしてきたか」は精神科医としての「らしさ」を育む本でした。 psy-book.hatenablog.com この[新版] 精神科治療の覚書は、もっと実践的な内容です。 精神疾患…

平易な言葉で精神症状を教えてくれる ★精神症状の把握と理解

★原田憲一先生 // リンク ・精神症状の把握と理解 多くの精神科医は、精神疾患、精神症状の不思議さに魅入られて精神科を専攻したのではないでしょうか? ある程度の臨床経験を積んでもなお、目の前で繰り広げられる様々な精神症状を理解できずに困惑するこ…

うつ病とは何かは難しい。精神科医が常に留意したいこと ★生活習慣病としてのうつ病

★井原裕 // リンク ・生活習慣病としてのうつ病 産業医として活躍されている独協医科大学の教授である井原先生の著書です。 この本は精神科医として患者と向き合うことの重要性を感じさせてくれます。 というのも、精神療法や薬物療法を行うにあたって、それ…

感覚を言語化し、形にする。その偉大さ。 ★追補 精神科診断面接のコツ

★神田橋條治先生 // リンク ・追補 精神科診断面接のコツ 神田橋先生のコツシリーズ、三部作の内の一つです。 これは驚くべき名著です。他の記事でも名著、名著と言いまくっていますが、それはこのブログが名著を選別したものだから仕方ありません。セレクシ…

精神科というか臨床家の基本姿勢じゃないかな ★神田橋條治 医学部講義

★神田橋條治先生 黒木俊秀・かしまえりこ編 // リンク ・神田橋條治 医学部講義 医学部講義とあるだけあって、精神科医以外の科を志す医者に向けた言葉も多い本です。 神田橋先生の講演などを直接聞いた経験は無いため、著書等で先生の考え方などを学ばせて…

精神科 豆知識シリーズ ①ロナセンテープとグレープフルーツジュース

書評だけだと話題が持たないので、私が面白いと思う精神科豆知識をどんどん書き連ねようと思います。 第一回は最近発売されたロナセンテープについて。(2020年2月26日現在) 通常のブロナンセリン(ロナセン®)との違いで面白い点があったので共有しておきます…

精神ってファジーなもの。割り切った理解は難しい。 ★看護のための精神医学

★中井久夫先生 // リンク ・看護のための精神医学 「看護のための」と銘打ってはいますが、別に看護師向けの本という訳ではありません。 この本の根底には、医者が治療として関わることに限界があったとしても「看護できない患者はいない」という、精神科診…

当ブログの道標

ちょっとした自己開示。非常に表層的です。 自己紹介 自己紹介② ここ最近はあまり自身の成長がないように感じ、日々悩んでいます。 自分で読んで勉強になった本、若手精神科医に是非一読いただきたい。 自分が指導する後輩には色々勉強しながら臨床に挑んで…

若手医師に超おすすめ!統合失調症の総学習 ★統合失調症のみかた、治療のすすめかた

★松崎朝樹先生 // リンク ・統合失調症のみかた、治療の進め方 私たち若手医師が統合失調症について初めて勉強する際のバイブルのような本です。 統合失調症に限らず、他の精神疾患について、精神症状についての記載もあります。そのため、これ一冊を読み込…

まさにタイトル通り、精神療法家はどう考えているのか ★新版 精神療法家の仕事

★成田善弘先生 // リンク ・新版 精神療法家の仕事 タイトルは無骨な雰囲気を醸し出しています。この本は精神療法家が「どう考え、何をしているのか」事細かに記載している本です。 私は初めて読んだとき、「こんなに色々なことを考えながら臨床をしているの…

精神科医の優しさ:育まれるもの ★こんなとき私はどうしてきたか

★中井久夫先生 // リンク ・こんなとき私はどうしてきたか 精神科医は他科から見ると、「何をしているかわからない得体の知れない人」と認識されていることがあります。また、駆け出しの精神科医も、自分自身のアイデンティティがあまりよくわかっていないこ…

避けては通れない、外傷的育ちへの関わり方 ★メンタライゼーションでガイドする外傷的育ちの克服

外来診療で「外傷的育ち」を抱えて生きる患者と遭遇する機会は非常に多いでしょう。薬物療法ではあまり良くならず、次第に医師患者関係が崩壊し治療関係が終結するという経験は臨床かなら誰にもあるのではないでしょうか? そういった症例との関わり方を学べ…

若手精神科医にたいへん役に立つ心理療法の名著 ★ころんで学ぶ心理療法ー初心者のための逆転移入門

ころんで学ぶ心理療法は精神科診療に携わると決めたのであれば、是非読んで欲しい本となっています。逆転移の取り扱い方についても丁寧に記載されており、患者との間で起きる事象への洞察を手助けしてくれるでしょう。

若手精神科医向け 名著 参考書

私が若手精神科医に読んでもらいたいと思う名著についてまとめました。 読み易さ重視で、まずは精神科医としての素養を身に着けることに重点を置いています。

自己紹介② 若手精神科医の覚書

今の自分の臨床レベルについて書きました。 精神科医って意外と幅広い分野を学ぶ必要はありますが、指導してくれる人はあまりいません。苦しい・・・。

自己紹介 若手精神科医の覚書

若手精神科医として臨床を行い、ようやく中堅に片足を踏み込みました。 私が困ったこと、知っておくといいと思うこと、おすすめの本などを書き連ねたいと思います。